「目に異常があったときはまずはこちらで観察します」
目の表面を観察する顕微鏡です。
手持ちのハンドスリットランプから、据え置き型のこの機械に変更しております。
患者さんの頭を両手でやさしく押さえて使用します。
今まで使用していたハンドスリットランプと比較して両手が使えますので、拡大観察しながら、処置ができます。
例えばまぶたの裏から生えていて通常見えないような細かい逆さまつげを抜いたりできます。他に、染色液を微量に点眼して、フィルターを通して角膜に傷が付いていないかどうか観察したり、
細い光の筋を当てて、傷の深さを、また、角膜の内側にたまっている水の濁りを、白内障を観察したりするためなどに使用しています。
また、観察した画像をPCに保存することができます。
その画像は診察室のPCにて、即座に皆様にご覧いただけるようになっております。ちなみに、本来は奥にあるジョイスティックの先端にあるボタンを押すことで撮影できるのですが、両手をつかって動物の頭を押さえるために、もう一つ手がないとボタンを押すことができません。
そこで、”ソレノイド”という電子部品を使用して、フットスイッチでジョイスティック上のボタンを押せるように工作しました。これにより快適に観察することができるようになりました。
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以前はこちらで診察しておりました。
現在も往診の時や、大きな機械を怖がる子、検査室まで移動できない子などは使用することがございます。
「目玉の圧力を測定する装置です。」
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点眼麻酔をして、左側の水色の部分を黒目に軽く何度か接触させて測定します
犬の緑内障は十中八九眼圧が上昇します。
目の奥の前部ぶどう膜が炎症を起こすと、逆に眼圧が低下します。緑内障も、前部ぶどう膜炎もいずれもよく見られる病気であります。
特に緑内障は、気づくの遅いと1日で失明してしまうかもしれません。
前部ぶどう膜炎も、治療をしないで時間が経過すると緑内障に進行してしまいます。
目に異常があるときは早めに対応するのが大事になります。明日ではダメなのです!!
「網膜の様子を観察する装置」
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目の奥の眼底(網膜)を立体的に観察する道具です。
奥にある装置を頭にかぶり、手前にあるレンズを見たい目の近くに配置して目をのぞき込みます。
両目で見られるので立体的に観察できます。緑内障では網膜にある視神経乳頭(目の裏から脳に伸びる神経が生えているところ)というところが、眼圧の上昇により陥没します。
立体視できるのでそういったところまで観察できます。
「目の表面や、その周囲を撮影しております。」
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オートフォーカスだと、撮影ごとに画像の大きさがまちまちになってしまいます。
ですので、ピントのダイヤルを動かさずに、カメラを近づけたり離したりしながら自分の目でピントを合わせて撮影しております。このNikon Z7iiはファインダーの中をとても明るく見ることができるので、薄暗い部屋でもピントを合わせることが簡単にできます。
暗室の中で、ある程度瞳孔を開いた状態の目を撮影することができるので大変重宝しております。
「マイクロ(マクロ)レンズ」
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実物大で撮影できるマイクロレンズを使用しております。
それに接写用のストロボを付けます。
あまり目の近くにレンズがあると動物がびっくりしてしまいますので、少し離れて撮影できるように、焦点距離が105mmのものにしました。
「観察した画像を迅速に飼い主様にお見せします。」
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カメラや、スリットランプ、顕微鏡で撮影した写真を保存し、順序よく並べて保管しておくアプリです。
時間を追って比較できるので、治療の成果があったかどうかを客観的に判断できます。